南船場という街がおしゃれな場所だと盛り上がり始めたのは10代後半ころかな。その中心地にNOAビルてのがあって、3階か4階に12gというお店がありました。 で、そこで取り扱われていたのがクリストフルメールというフランス人デザイナーのお洋服。当時そのデザイナーの服が格好良いのかどうかは、正直よくわかりませんでしたが、12gの店内はとにかく格好良かった。白っぽい内装で壁一面鏡。広い店なのに置いている服はちょろっと。なんやこの洗練された空間は⁉と田辺大根の田舎者は驚いた訳です。 その後初めてパリに行った時、勿論覗きましたよルメール。ただ、服がイケてるイケてない以前に値段がかなりイケてない。仕方なくレジ横に置いてあったアップリケを弟の土産として買い店を出ようとすると、後ろから肩をとんとんと叩かれる、何かいな？と振り返ると見るからにイケてる姉やんがCDを持って立っておる。聞くとノベルティやからやると。アップリケひとつの客にノベルティ？この時ルメール世界獲るなと確信しました。 その数年後に彼はラコステのディレクターになり、そのまた数年後にはエルメスのディレクターに就任。獲りよったね。 ノベルティ事件から約20年後の先日、天王寺のUNIQLOをフラフラしていると目に飛び込んできたルメールの文字。近づいて見てみるとUNIQLOとルメールがコラボレーションしておる！デザインがイケてるイケてないは別として、値段がイケにイケている。嬉々として黒シャツを購入。 本当ならこちらから会いに行くべきよな、20年経って稼げるようになりました！言うて。でも先方から会いに来てくれました、未だ素寒貧の私に。 もうちょい待ってルメール、じきにこちらから会いに行きますので。